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コラム:長嶋さん松井さんの国民栄誉賞表彰式のスタイリング |
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2013年に、長嶋茂雄さん・松井秀喜さんが国民栄誉賞を受賞し、5月5日(日)・東京ドームにて表彰式が行われました。
表彰式で二人はお揃いのスーツで登場。紺のスーツ・小紋柄ネクタイ・ストライプシャツ。
お揃いのスーツで臨みたいとは松井氏の発案らしいのですが、師弟関係の絆を見事に表現したスタイリングでした。
厳かなシーンでは、ネクタイはストライプやレジメンタル柄よりも小紋柄の方が向いています。
白いシャツだと堅くなりすぎてしまうところを、ストライプのシャツを使うことにより堅さを和らげ、爽やかさを出しています。すごく良いですね。
松井さんにとって、長嶋さんは、おそらく野球だけではなく人生の師匠でもあります。
その師匠とともに祝福される華やかな場で師匠と同じスタイリングで臨む。装いを通じて素敵なメッセージが伝わってくるようです。
このようにスタイリングに「意味を持たせる」「メッセージを込める」ことは、ビジネスにおいても非常に重要なのです。
二人が違っていたのはポケットチーフの挿し方。
長嶋さんはパフドスタイルという華やかな印象を与える挿し方。
松井さんはTVフォールドというきちんとした印象の挿し方。
ここでは、華やかなミスターと、真摯でひたむきな松井さん という違いがよく表れています。
巨人ファンではなくても、テレビやニュースを見ていた多くの人が長嶋さんや松井さんに好感を持ち、栄誉を祝福する気持ちになれたのではないのでしょうか。本当に素晴らしいスタイリングでした。

「しかし、あのお二人の着てるようなものって、やっぱりお高いんでしょ?」
高価なスーツ、シャツかもしれません。 しかしながら、高価なスーツでなくても、身の丈にあった予算のアイテムを使ったスタイリングで「意味を持たせる」ことはできるのです。
…プレゼンテーションで「私にお任せください」と熱意をアピールする。
…「誠に申し訳ございません」と心から反省している心境を表す。
…今日の社内ミーティングでは、活発な意見を引きだしたい。
…ビジネスで初対面の人に、自分が誠実に仕事をする人間であることを伝えたい。
こういった状況が予めわかっているのであれば、その日にするシャツやネクタイ、スーツのコーディネートは自ずと変わってきます。
お洒落だなと感じる方は、こういった“演出”が嫌味なくコントロールできているのです。
洋服には、着ている人も、そしてそれを見ている人の気分を変えるパワーがあります。
少しずつでもいいので、スタイリングに意味を持たせることを意識してみると、普段の着こなしや次に何を買うべきかが見えてきますよ。
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